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そもそもどうなっているのかということ

「パソコンへの理解を深めたいが,どうしたらいいか」といったことを聞かれることがある。単にワープロの使い方とかメールの送受信とかに習熟したいという話であれば,ハウツー本を読むとか教室に通うとかでいいだろう。マイクロソフト公認資格の世界大会なんてのもあって,日本の学生が入賞しているそうだ。だが,「パソコンへの理解を深めたい」という要請には,それ以上のものが含まれていることが多い。自分でプログラムを作りたい,OSについて知りたい,ネットワークの設定を知りたい,・・・そうなると,とたんにAPIだとか16進数だとかTCP/IPだとか難しそうな異世界がどわっと襲いかかってくるのである。

「ことりさんはどうやって覚えたんですか」という質問には「徹夜を繰り返し,いじりまくった」というしかない。要するに時間をかけただけなのだ。とはいっても,当時はハードもソフトも今から見れば原始的だったから,「そもそもどうなっているのか」を知ることができた,あるいは知る余裕があった,というのは確かだとおもう。マシン語(アセンブリ言語ですらなく,16進コードを直接打つ)を書いてみたり,メモリをダンプして0番地から全部眺めてみたり,などいま思えば妙なことをやった記憶がある。

題名は忘れたがあるSF作品で,無人惑星に救命ポッドで不時着した主人公が,手持ちの道具で鉱石を掘るところから始め,金属を精錬してさまざまな道具や部品を手作りし,コンピューターや通信機も組み上げて,ついにはまともな宇宙船を建造して故郷に帰る・・・というのがあった。突っ込みどころは多々あるが基本はそういうことで,「そもそも」を知っていれば道がひらける可能性がある。

まあ,ガラスを吹いた手作り真空管でフリップフロップ回路を組んでプロセッサとメモリをつくり,手巻きのコイルを小川の水車で回して作った電気でその原始的コンピューターを動かして軌道計算をする,なんてスキルはとても実用的とはいえないわけだが,「プリウスが止まらない」とか訳のわからないことを言っている人を見るにつけ,「そもそも」を知らなくてもモノが使えることの恐ろしさを改めて感じるのである。

(おまけのひとりごと)
マイクロソフト公認資格の世界大会では,競技中に停電させてその後の対応を採点する,とかいうのはないんだろうか?

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