~していただいてもよろしいでしょうか

以前「~してもらっていいですか」について述べたが,この表現は既にひろく世人の受け入れるところとなったようで,ビジネスシーンでも「見積書を作成してもらっていいですか?」などと言われてしまったりする。「いいの? 悪いの? はっきりしなさいよっ」と迫られているようで,どうにも馴染めないが,まあこの程度は仕方がないのかもしれない。

とおもっていたら,ビジネスシーンで用いられるということは「妙な敬語化」の対象にもなるわけで,あるメールでこんな文章を見た。

明日の会議,プロジェクターをご用意していただいてもよろしいでしょうか。

これは気持ち悪い。なるほど,「もらう」の謙譲語「いただく」を持ってきたわけで,それはそれで正しいが,かえって行為の主体がわかりにくくなり,プロジェクターを用意するのはいったい誰なんだろうと迷う。誰か第三者(わりとえらい人)に用意してもらうような感じがする。「プロジェクターをご用意させていただいてもよろしいでしょうか」という表現ならまともだが,それだと意味が全く違ってしまう。主語を省略し敬語で主客を示すという日本語の表現技法が,今まさに崩壊の危機に瀕しているように見える。

「○○さん,結婚してもらっていいですかっ!?」
と言われたら,・・・誰と結婚するのだろうか?

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モバイル

最近ノートPCを持ち歩くようになったので,いわゆるモバイル・インターネット接続について検討している。仕事場や自宅には無線LANのアクセスポイントを置いてあるので問題ないのだが,欲は出るもので,出先や移動中にちょっと接続できたらいいな,って思ったのだ。携帯端末でメール打つのいやだしね。本体は Windows 7 Pro。さあいってみよう!

まずはUQ WiMAXの15日間無料お試しから。秋葉のツクモに行ってUSB接続端末をゲットしてくる。無線LANを切断し,ウイルスバスターのファイアウォール設定を厳しめに設定してから端末を差す。ほお,CDドライブとして認識されたな。ユーティリティーソフト(NEC製らしい)がインストールされ,引き続きドライバのインストールが始まる・・ありゃ,「デバイス ドライバー ソフトウェアは正しくインストールされませんでした」ですってよ? 仕方がないのでUQのサポートサイトへ行き,最新のドライバを落としてインストールし直したら,今度は成功。どうもWindows 7のユーザーアカウント制御にひっかかっていた感じがする。でも,ここには別にインターネットに接続できるマシンがあるからいいけど,ノートPC1台だけの人はどうしたらいいんだろうね? 電話サポートとCD送付,とか? とにかく接続に成功,IPアドレス119.107.xxx.xxx(一応スミ塗っとく)が割り当てられた。電波状況は「弱」だが,ほとんどストレスなく通信できる。あとはあちこち持って行って試してみよう。なおUQのサポートサイトはなかなかよくできていてわかりやすい。

次に,docomoのfomaでOCNのアクセスポイントに64kダイヤルアップを試してみる。ドコモショップへ行って「fomaでダイヤルアップ接続したいのでUSBケーブルください」と言ったら,若いおにーさんは真顔で「ダイヤルアップって何ですか」と聞く。絶句。というか,かなりショック。そうか~,もうこの言葉は通じないのか。とにかくケーブルを入手し,本機(P-04A)付属のCDからドライバをインストールしようとすると・・「パソコンにインストールされているOSはサポートしていないためインストールできません」・・ああそうですか,まあそうでしょうね。Windows 7なんて知らないですよね。で,これまたdocomoのサイトから最新のドライバとユーティリティーをダウンロード,インストールして起動する。接続ウィザードはわりとよくできていて,プロバイダからOCNを選択するだけでアクセスポイントの電話番号も入力不要。接続に成功,219.161.xxx.xxxが割り当てられた。こっちは従量制だから恐ろしいのですぐ切断。

とまあ,2種類の接続に成功したわけだが,わたしのように昔からモデムとかでヒドイ目にあいつつ接続していたような者はこれでも「ずいぶん楽なもんだな」と思うが,シロウトさんは「インストール失敗!」で既にパニックではないだろうか。接続機器を購入したら,店頭で接続できるところまでやってもらった方がいいかもしれない。

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そもそもどうなっているのかということ

「パソコンへの理解を深めたいが,どうしたらいいか」といったことを聞かれることがある。単にワープロの使い方とかメールの送受信とかに習熟したいという話であれば,ハウツー本を読むとか教室に通うとかでいいだろう。マイクロソフト公認資格の世界大会なんてのもあって,日本の学生が入賞しているそうだ。だが,「パソコンへの理解を深めたい」という要請には,それ以上のものが含まれていることが多い。自分でプログラムを作りたい,OSについて知りたい,ネットワークの設定を知りたい,・・・そうなると,とたんにAPIだとか16進数だとかTCP/IPだとか難しそうな異世界がどわっと襲いかかってくるのである。

「ことりさんはどうやって覚えたんですか」という質問には「徹夜を繰り返し,いじりまくった」というしかない。要するに時間をかけただけなのだ。とはいっても,当時はハードもソフトも今から見れば原始的だったから,「そもそもどうなっているのか」を知ることができた,あるいは知る余裕があった,というのは確かだとおもう。マシン語(アセンブリ言語ですらなく,16進コードを直接打つ)を書いてみたり,メモリをダンプして0番地から全部眺めてみたり,などいま思えば妙なことをやった記憶がある。

題名は忘れたがあるSF作品で,無人惑星に救命ポッドで不時着した主人公が,手持ちの道具で鉱石を掘るところから始め,金属を精錬してさまざまな道具や部品を手作りし,コンピューターや通信機も組み上げて,ついにはまともな宇宙船を建造して故郷に帰る・・・というのがあった。突っ込みどころは多々あるが基本はそういうことで,「そもそも」を知っていれば道がひらける可能性がある。

まあ,ガラスを吹いた手作り真空管でフリップフロップ回路を組んでプロセッサとメモリをつくり,手巻きのコイルを小川の水車で回して作った電気でその原始的コンピューターを動かして軌道計算をする,なんてスキルはとても実用的とはいえないわけだが,「プリウスが止まらない」とか訳のわからないことを言っている人を見るにつけ,「そもそも」を知らなくてもモノが使えることの恐ろしさを改めて感じるのである。

(おまけのひとりごと)
マイクロソフト公認資格の世界大会では,競技中に停電させてその後の対応を採点する,とかいうのはないんだろうか?

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